わたくし、政略結婚いたします!?
私からたくさん幸せを奪っておいて。
まだ、私を苦しめるの?
せめて。
せめて、愛していると。
幸せにすると。
そう言ってくれたら、私も過去を捨てられるかもしれないのに。
「……やっぱり私、あなたのこと嫌いだわ」
「嫌いでもなんでも、結婚はしてもらう」
あっさりとそう言ったレナルドに、私は思い切り顔を歪めて。
強く、唇をかみしめた。
「……分かってるわよ……!」
「なら、いい。……もうすぐメグが来る。今日はしっかり幸せそうな花嫁を演じろよ」
言いながら、レナルドは立ちあがって部屋から出ていった。