わたくし、政略結婚いたします!?
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アリアの部屋を出たレナルドは、ふっと視線を伏せた。
どうしてこうなるのかと、ウィルを恨まずにはいられない。
アリアは最近、以前よりも自分を受け入れてくれるようになったような気がしていたのに。
もちろん、いつかは話すつもりでいた。
自分の父親がした罪も、どうしてアリアを選んだのかも。
だけど、あんなふうに必死に涙をこらえて自分を見るアリアを見たら、何を説明しても彼女を傷付けるだけだと思った。
ならば、下手に弁解するよりも真実だけを伝えるべきだと思った。
言い訳など通じる事柄ではないのだから。
父のしたことは許されないことだし、それを止められなかった自分やウィルも無関係ではない。
彼女は当時まだ幼かったが、自分たちはある程度大人の事情も理解できる年齢だった。
そもそも、彼女の父から吸い上げた財産で生活していた身だ。