わたくし、政略結婚いたします!?
彼女が自分のもとに居ることが彼女を苦しめることになるだろうことはわかっていた。
……分かっていたが、それだけで割りきれるほど、自分はできた人間じゃなくて。
「……くそ」
呟いて、自分の部屋に向かって歩き出した。
あんなことを言いに彼女の部屋に来たわけではないのに。
どうして、こんなに上手くいかないのだろう。
「レナルド様」
不意に後ろから声を掛けられて振り返ると、エディがこちらに歩いてくるところだった。
「アリア様のところへ行っていたんですか?」
「……ああ」
「いよいよ今日ですもんね。どうです?最愛の女性と結婚される心境は」
「……アリアに、俺の親父がしていたことがばれた」
隣に並んで歩くエディにそう言うと、エディは一瞬目を見開いた。