わたくし、政略結婚いたします!?

*****


白いベール。


白い花束。


左手の薬指に光る指輪。


ステンドグラスから差し込む光。



「では、誓いのキスを」



深い、声。


初老の神父は、これがほんものの結婚だと、本当に思っているのだろうか。


────ゆっくりと、私の顔を隠すベールが持ちあげられる。




「……キスの時くらい目ぇ閉じろよ」



イラついたような声で、レナルドは呟いた。


言葉に思い切り反抗して、レナルドの顔が近付いてきても、私は目を閉じることはしなかった。

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