わたくし、政略結婚いたします!?
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白いベール。
白い花束。
左手の薬指に光る指輪。
ステンドグラスから差し込む光。
「では、誓いのキスを」
深い、声。
初老の神父は、これがほんものの結婚だと、本当に思っているのだろうか。
────ゆっくりと、私の顔を隠すベールが持ちあげられる。
「……キスの時くらい目ぇ閉じろよ」
イラついたような声で、レナルドは呟いた。
言葉に思い切り反抗して、レナルドの顔が近付いてきても、私は目を閉じることはしなかった。