わたくし、政略結婚いたします!?
その手の話にはかなり疎い自覚があるだけに、なにか間違いを犯してしまいそうで怖い。
レナルドとは、ニセモノの結婚とはいえ、契約上は本物の夫婦。
きっと跡取りだって必要だし、そのためにもそういう行為が必要だってことは分かる。
……だけど。
レナルドにとってはなんでもないことでも、私にとっては本当に好きな人との初めてだから。
これ以上好きになっちゃいけないのに。
消さなきゃいけない気持ちなのに。
どんどん好きの気持ちが大きくなっていってしまうような気がして怖かった。
好きになっちゃいけない相手だと分かった今でさえ、気持ちがなくなる気配なんてないのに。
「大丈夫ですよ」
「でも」
「アリア様」
珍しく、メグが私の言葉をやんわりと遮った。
そして、にっこり、笑う。