わたくし、政略結婚いたします!?

彼は、言い訳なんて一つもしなかった。


真摯に、真実だけを述べてくれた。



……きっとそれって、すごいことだ。


レナルドが優しいことなんて、分かっていたはずじゃない。


きっと彼はずっと自分の父親のしたことを悔いていたはずだ。


だからこそ、私にあんなにまっすぐ答えてくれたのだと思う。





どうして気付かなかったんだろう。


過去にあった真実より。


今の彼の気持ちを訊くべきだったって。



どうして、私は。


嫌いだなんて言ってしまったの?


あんなことを言わなければ、もっとちゃんと向き合えたんじゃないの?

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