わたくし、政略結婚いたします!?
「私にたいそうな荷物があると思っている方が不思議だわ。そんなものがあったらとっくに売って薬代にしてる」
「…まったく、口が減らねぇ女だな」
「では、行きましょう。家の前に馬車がとまっていますのでそちらに乗って下さい。私はこのまま葬儀屋に向かいます」
「…よろしくおねがいします」
エディに、深く頭を下げた。
「おい、さっさと行くぞ」
部屋の外で、レナルドがイラついたような声で私を呼んでいる。
まったく、短気な男。
「お母さん。…行くね」
私はベッドに横たわる母の手を一度きゅっと握り、微笑んで。
そして、部屋を出た。