わたくし、政略結婚いたします!?




きっと、もう二度と来ることがないであろう、ボロくて古い家。



でも、お父さんが死んでから、私にとっての家はここだった。




貧しくて、苦しいこともたくさんあったけど、お母さんとの思い出が溢れるほどつまった家。




最後に一度、振り返った。





さようなら。





心の中で呟いて。



私は、レナルドの待つ馬車に乗り込んだ。







────こうして。




唐突に、傲慢金髪男との結婚生活が、幕を開けることとなったのだった。







< 22 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop