わたくし、政略結婚いたします!?
きっと、もう二度と来ることがないであろう、ボロくて古い家。
でも、お父さんが死んでから、私にとっての家はここだった。
貧しくて、苦しいこともたくさんあったけど、お母さんとの思い出が溢れるほどつまった家。
最後に一度、振り返った。
さようなら。
心の中で呟いて。
私は、レナルドの待つ馬車に乗り込んだ。
────こうして。
唐突に、傲慢金髪男との結婚生活が、幕を開けることとなったのだった。