わたくし、政略結婚いたします!?


「……あのときは、ごめん。

……君のお父さんが犯人として捕まった殺人事件、あの被害者が僕のとてもお世話になった人だったから、どうしても、憎む対象を探さずにはいられなくて。

……君は何も悪くないし、冷静になった今では君のお父さんはむしろ被害者だと思っている」



「今更、謝られたって……」


「メグ」


呼んだウィルの声に、メグがびくっと肩を揺らした。



「ごめん。……傷付けたね」


「……私より、謝らなければならない方たちがいるでしょう?」


「ウィル、悪かった。まさかお前がそんなに抱え込んでるなんて気付かなかったんだ」



ウィルが謝るのではなくレナルドがそう言って頭を下げたのを見て、びっくりしてしまう。


……どれだけ人がいいのよ。


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