わたくし、政略結婚いたします!?
「ウィル、幸せは与えられるものじゃないと思うわ」
さっきのウィルの言葉を聞いてずっと思っていたことを、私はぽつりと口にした。
「きっとあなたはもっと早く自分の気持ちを言うべきだったのよ。
あなたはレナルドのせいで自分が幸せになれないと思っているみたいだけど、レナルドがあなたから幸せを奪おうだなんて思ってるはずないでしょう。
欲しいものは欲しいと言っていいと思うわ。
たとえ手に入らなくても、何もしないで諦めるのはいちばんつらいもの。
なにより、諦める癖がついてしまうわ」
言うと、ウィルは「お説教かい?」と笑った。
……どうしてだろう。
それは紛れもなく、ほんものの笑顔だと思った。
「欲しいものは欲しい、ね…」
少し考えるようにしていたウィルは、やがてにっこり笑った。
「じゃあアリア嬢。
僕にメグをくれないかな」
「「えっ!?」」
ニコニコと返事を待っているウィル。
私もメグも、驚きすぎて言葉が見つからない。
いきなり何を言い出すんだろう、この人…!