わたくし、政略結婚いたします!?
離そうとした瞬間、まるで「いかないで」とでも言うように、アリアが軽く声を漏らした。
微かな、身動ぎ。
それはただ寝ぼけているだけで深い意味などないことは分かっていたが、でも、何故か、そう言われているような気がしたのだ。
「……仕方ねぇな」
離そうとした指をそのまま滑らせて、今度は掌でそのやわらかな頬を包み込んだ。
「……倒れるほど練習しろ、なんて言った覚えないからな」
メグに、朝から体調が悪かったようだと聞いて、そしてそれがどうやら夜遅くまでダンスを練習していたせいだと聞かされて、どうしようもなく胸が痛んだ。