わたくし、政略結婚いたします!?
その痛みは、こんな厳しいスケジュールを組んだ罪悪感というよりも、むしろ、締め付けられるような、甘い痛みで────。
「……でも、頑張ったな。……アリア」
耳元で、囁く。
気付いていなかっただろうが、アリアは充分に周りの視線を集めていた。
それは、見たことのない美しい令嬢に対する好奇の目であったり、
これから伸びしろのある成金の隣に選ばれた者に対する羨望であったり、
綺麗に着飾っただけでは手に入らない、生まれついた美貌に対する嫉妬であったり。
視線の意味はさまざまだろうが、それでも。
充分すぎるほどに、ハーリトンの婚約者であることは周りに認めさせられただろう。