わたくし、政略結婚いたします!?





それからは今まで覚えた贅沢をすべて忘れ、私は朝晩問わず働いた。



父が死んだからといって、悲嘆に暮れている余裕はなかった。




家を売ったお金でしばらくは人並みの生活ができた。



しかし私が15歳になるころ、母の持病が悪化し、医者にかかる費用が必要になると、みるみる貯蓄は減っていった。




そして。






私が17歳になった、春。





お金がなくて満足な治療も受けさせてあげられなかったせいで。







母も、還らぬ人となってしまった。









< 8 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop