わたくし、政略結婚いたします!?
────だけど。
「……もう起きて大丈夫なのか?」
「え、あ、起きてたの……?」
指先が髪に触れるよりも先に、レナルドがぱちっと目を開いた。
びっくりして、伸ばした手を引っ込める。
ゆっくりとレナルドが身体を起こした。
「いや……、今起きた」
「そう……。あの、私、ごめんなさい」
謝ると、レナルドは驚いたように私を見た。
レナルドがソファに座ったままなので、いつもは見上げる瞳を今は見下ろす格好。
見上げられる視線が、なんだかくすぐったかった。