わたくし、政略結婚いたします!?


「謝られる理由がわからないんだが」


「だって、私、倒れちゃって……。迷惑、かけたわよね……」


「そうだな」



あっさり肯定されて、なんだか泣きたくなった。


あんなに、頑張ったのに。


確かに倒れちゃったけど。


それに、体調を気遣ってくれたレナルドに、大丈夫、だなんて強がったのも、悪かったけど。


でもやっぱり直接、迷惑だった、と認められると悲しくなる。



ぐっと唇をかみしめて、俯いた。


すると、ふいに下から手が伸びてきて。


驚くほど優しく、頬に触れた。


ハッとしてレナルドを見ると、苦笑を浮かべている。

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