【完】一途な君に恋してる*
どこ行ったんだろ…。
もうお姉ちゃんには、会ったのかな?
それにしたら、早すぎるよね。
「……波流」
後ろからあたしの名前を呼ぶ声が聞こえてきたと同時に、あたしは抱き締められた。
この柑橘系の匂いは、工藤くん…?
今あたしのこと“波流”って呼んだよね?
初めて、名前で呼んでくれた。
「工藤く…」
「樹って呼んで?」
ななな、何よこのセクシーボイス。
あたし、初めて聞いたよ。