Sion
一週間ぶりの律花に希愛の目からぽろぽろ涙が溢れた。
それを見て、律花は肩をすくめる。
「泣きたいのはこっちの方なのに…」
と、柔らかい笑みを見せて希愛の頭をやさしく撫でた。
「希愛に約束破られて、学校にもこないし会ってもくれない。避けられてると思ったんだよ?」
返す言葉もなかった。
それは本当のことだから。
「でも、一番辛かったのは…あたしに何も相談せずに一人で抱え込んでることだよ」
『ごめん…なさい…』
避けてしまってどうすればいいか、分からなくなった。
いつも律花に相談していたのに、自分から律花を避けて抱え込んだ。
そうしたのは自分なのに、今更甘えることなんてできなかった。