Sion




もちろん、付き合うことになったのは嬉しい。
心の底から湖季のことを応援していたから。




でも、律花が湖季のことを好きだったなんて知らなかった。




「いつから…好き…だったの?」




「好きって…いうか…」




「好きだから…付き合う…ことに…なったんじゃない…の?」




「そ、それは…」




「好き…なの…?」




希愛の質問攻めに律花は顔をますます赤くする。
いつもと違う、おとなしい律花に希愛は首を傾げる。




「…律花?」




「あーっ!これ以上聞かないで!」




いつの間にか、律花は涙目になっていた。
それを見て、湖季はくすくす笑う。




「とりあえず、答えてあげなよ。花澤さん気になってるみたいだし」




『うーっ』と言いながら、律花は赤い顔を隠す。
いつもと違う律花は凄く可愛かった。




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