Sion




優愛はふっと写真に映るモデルのような笑みを見せる。
スッと立ち上がり、弓弦の横に立つ。




立つと、身長が高めですらっとしているのがよく分かった。




「藤花 優愛(とうか ゆあ)です。初めまして、奏さん」




「…奏 那由汰です。隣にいるのは友人の嘉島 湖季」




「…どうも」




同じくらいの年齢だろうか。
大人っぽいが少し幼さを感じる。




「お二人はおいくつなんですか?」




「13歳になったばかりですよ」




と、湖季が答えると優愛は嬉しそうに微笑む。




「私のほうが少し年上なんですね。14歳なんです」




1歳しか違わないのに、優愛はとても大人っぽかった。
クラスでこんな女の子はいない。




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