Sion
小さな決意
話終わった湖季はふーっと長い息を吐く。
余計なことも話してしまったかもしれないと苦笑した。
湖季を見る律花の目がとても険しかった。
「なに…その子」
声音からいらついているのが分かる。
優愛と律花。二人は少し似ているように感じる。
だが、それは強さだけだろう。
芯の強さが二人が似ていると感じさせるのだろう。
律花の眉間には皺が寄っている。
明らかに嫌そうにしているのが分かる。
湖季は静かにため息をついた。
「律花、そんな顔をしない」
「だってむかつくんだもん。あいつも良く付き合ってられるね」
律花は『あたしには無理』と息を吐いた。
那由汰に普通は通じない。