Sion




那由汰の顔がゆっくりと近づいてくる。
感じる吐息が恥ずかしくて、顔をそらしたくなる。




でも、そうすることができなくて…





「…下の名前で呼んでよ」





透き通る甘い声が耳元に響いて…





「…那…由汰」





震える声で名を紡いだ。




那由汰は少し恥ずかしそうに微笑み、希愛の唇に口づけを落とした。





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