Sion

幸せな時間





「…なゆ兄」




部屋から爽理が小走りでリビングに来た。
那由汰は『あぁ』と振り返った。




少ししゃがみ、軽く爽理の頭を撫でた。




「ごめん。飲み物入れてもらってた。ここで飲む?」




コクりと爽理は頷く。
そんな爽理が少し那由汰に似ていると希愛は感じた。




理緒は笑顔で飲み物を机に運ぶ。
爽理はソファーにボスッと座った。




「なゆ兄、ここ座って」




手で爽理は自分の隣を叩く。
那由汰は軽く微笑んだ。




「うん」




そんな二人を見て、理緒さんは嬉しそうに笑う。




「爽理…那由汰さんが気に入ったのね」




「お母さん、すごいんだよ。なゆ兄のピアノ」




目をキラキラさせて爽理は話す。




< 236 / 303 >

この作品をシェア

pagetop