Sion

家族になった瞬間





気が付けば高校生になってから2度目の春を迎えていた。




あれから理緒とは互いに連絡を取り合っている。
希愛の家にも久しぶりに訪れ、希愛の両親に爽理のことを紹介した。




希愛の両親は爽理を見ると、嬉しそうに微笑んだ。
『本当に爽にそっくり』そう言って爽理の頭を撫でた。




それから家で爽理を預かることが多くなった。
仕事で忙しい理緒に変わって希愛の母親が世話をしている。




といっても、そこまで長い時間は預かっていない。
小学校に通っている爽理が帰ってきてから、理緒が迎えに来るまでだ。




だが、最近は希愛の家で食事をするようになってきた。
爽理も初めて会った時よりも話してくれるようになった。




この日も理緒と爽理は希愛の家に来ていた。




「希愛ちゃん、こんばんは。いつもごめんね」




理緒は大きな荷物を抱え、入ってきた。




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