Sion
希愛は首をぶんぶんと横に振る。
「大丈夫。理緒さん、今日は荷物が多いね」
「仕事終わらなくて…持って帰ってきたから。家に帰ったらやるつもり」
そんな理緒を見て、希愛は不安になる。
理緒の顔色は少し悪くなっていた。
「…理緒さん、今日泊まっていったら?」
「これ以上お世話にはなれないわ」
「でも…」
『大丈夫』と理緒は微笑む。
希愛にはそれが無理をしているように見えた。
話しているときに、爽理は笑顔で理緒に走り寄ってくる。
小さな体が理緒に抱きついた。
「お母さん、お帰り!」
「爽理、ただいま。迷惑かけてない?」
爽理は笑顔で頷く。