Sion
くすくすと笑う声が隣から聞こえてくる。
「兄弟みたいね」
爽理は那由汰に心を許している。
仲良く話す姿がまるで兄弟のようだった。
子どもに優しい那由汰の一面がとても可愛らしい。
思っていたよりも子ども好きのようだ。
爽理が自分に似ていることにも気づいているようだ。
だから、放っておけないのかもしれない。
「那由汰、爽理くん。荷物も積み終わったし、車で家に向かうよ」
那由汰と爽理の名を呼ぶ。
すると二人はぎゅっと手を握り、車に乗り込んだ。
その姿が本当の家族のようで…
とても温かく、微笑ましかった。
そして少しだけ、仲が良いことを羨ましく感じた。