Sion




その様子を見て、希愛は静かにホッとした。
律花も安心したようで、希愛の手を引き、湖季に近づく。




「ありがとね、嘉島くん」




律花がお礼を言うと、湖季はニッと歯を見せて笑った。




「慣れてるからさ、こういうの」




「湖季…なんで俺の周りに女がいたんだ?」




調子抜けするような声が尋ねる。
湖季は肩をすくめた。




「お前…また寝てたのか?」




「式の前で寝てたんだけど寝たりなくてさ。起きたらお前が怒ってた」




つまりはさっきまで寝ていたのだ。
女の子に囲まれていたのにも気付かすに。
ある意味凄いなと湖季はいつも感じる。







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