Sion




そんな那由汰を見て、弓弦はニヤニヤと笑う。




「相変わらずゆのには甘いな」




「ゆづもゆのには甘い」




「…妹だからな」




何気ない会話
これが普段の会話なんだろう。




でも、希愛にはついていけなくて…
本当に付いてきてよかったのかと不安になる。




すると、弓音は希愛に向かって微笑む。
小さな声で耳打ちした。




「なゆとゆづはいつもこんな感じなの。だから気にしてくていいんだよ?
どうでもいい会話だから、すぐに終わるから」




知り合ってまだそんなに経っていない。
なのに、弓音は希愛の不安を見抜いていた。




そして、とても優しく接してくれる。
それは希愛が那由汰の彼女だからだろうか。




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