Sion
那由汰と登校している時、思わずため息が漏れた。
希愛はハッとしたが、那由汰は希愛のため息に気づいてしまっていた。
「…ため息」
「ご、ごめん…」
「いいけど…なんか最近暗い」
と、那由汰は希愛を見る。
希愛は『大丈夫』と言って首を横に振った。
それでも那由汰は気になっているようだった。
大きなため息をつき、希愛の手を握った。
そのままどこへと希愛を引っ張っていく。
「な、那由汰…どこに…?」
希愛が尋ねても那由汰は口を開かない。
そのまま那由汰に何処かへと引っ張られていった。