Sion




希愛はふぅっと床に座った。
那由汰は紅茶を飲み、じっと希愛を見る。




「で、聞きたいことは何?」




「…へ?」




「聞きたいこと、あるんじゃないの?」




希愛の聞きたいこと…それは弓音のことだった。
那由汰と弓音の関係を聞きたかった。




だけど、しろうとすると怖くなって。
仲いい二人を見ると悲しくなって。
那由汰が嫌そうじゃないのが気になって。




気づけばため息が出ていた。
那由汰はそれに気づいたんだ。




だから、こうやって連れてきたんだろうか。




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