Sion
律花は希愛の視線の先に気づき、微笑む。
手を握り、二人のもとへと希愛を引っ張っていく。
「嘉島くん、先週は…ありがと」
律花がお礼を言うと、湖季はふっと微笑む。
「新鮮だったよ。巴さんって結構素直だね」
と、からかうように言う。
そんな湖季に律花はいつもと同じように『馬鹿っ!』と湖季の頭をパシッと叩く。
「礼を言って損したっ!」
「また二人で出かけようよ」
『ね?』と湖季は微笑む。
律花は嫌とバッサリと断った。
そんな律花に湖季は条件を出す。
「じゃあ、体育祭で3種目全部3位入賞できたら…でどう?」
その条件は運動ができそうな湖季でも大変だとわかる。
学年全部合わせると15クラス以上はある。