Sion
3年生も2年生もいる。
その中で3位入賞は厳しい。
だけど、律花は『それくらいしなきゃね』と承諾した。
希愛の目から見て、二人はお似合いのような気がした。
気の強い律花を躊躇わず、真っ直ぐアタックする湖季
少し軽い湖季をうまく扱う律花
見ていてバランスがいい。
二人の会話を聞いていると、自然と顔が綻ぶ。
そんな希愛の服を掴む人がいた。
眠そうにしていたと思ったら、真っ直ぐ強い瞳で希愛を見つめている。
「こっち来て」
と、二人に聞こえないように小さな声で話す。
希愛は首をかしげながらも、那由汰に掴まれた手を払おうとはしなかった。
先を走る那由汰の後ろ背中に見とれながら、足を走らせた。