Sion




少し違うのだ、温かさの感じが。
律花と湖季の優しさは那由汰と同じくらい温かい。




だけど…那由汰の温かさは…
胸の奥がぎゅうっとなって切ないけど、それ以上に胸の奥がほっこりと温かいぬくもりを感じる。
それにそばにいるといると安心して、『幸せ』を感じる気がする。




希愛の想いを聞いた律花は嬉しそうに微笑んだ。




「希愛にとって大切な人なんだね。それがあいつっていうのが気に入らないけど」




『大切?律花のことだって…大切だよ?』




かけがえのない友達で幼なじみ
ずっと傍にいて、支えてくれた。




希愛のせいで傷ついたこともあっただろう。
それなのに、律花はずっとそばにいてくれた。
優しくしてくれた。




希愛は…凄く感謝をしている。
律花が居なければ、ずっと落ち込んだままで暗い日々を過ごしていただろう。




律花の存在だって大切だ。
唯一、変わらぬ瞳で見てくれた。




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