Sion




見送ると希愛はふぅーっと息を吐く。
大きなため息と共に浮かぶ、憂い顔




律花にすぐに相談できなかったのは残念だった。
だが、用事なら仕方がない。




そう思い、希愛は自分の席に戻る。
帰る準備をしていると、ふと隣の席に荷物が残っていることに気がつく。




だが、那由汰の姿はない。
教室から出ていったのを希愛は見た。
どこかにいるんだろうか…。




ふと、ある場所が頭に浮かぶ。
これから何も用事はない。
律花の用事が終わりそうな頃までに家に帰ればいい。




そう思った希愛はカバンを持って、ある場所に向かった。




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