拾ってください!!《結婚しました!音々version》
「お姉ちゃん、お姉ちゃん」

私のことかしら、

そうっと目を開くと

おばあさんの顔が、

私を覗き込んでた。


「今日は冷え込むよ、こんな格好でここに寝ていたら、

 死んじゃうよ?」


「あ、大丈夫です。私健康には自信あるので。」

「そうかい?でも、外で寝たことはないだろう?

 うちに来るといいよ。」

「でも」

おばあさんの指差すダンボールハウスは

まわりのどれよりもくたびれていて、

すぐにでも崩れそうで、

あの中に入るのはちょっと、と躊躇した。

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