拾ってください!!《結婚しました!音々version》
おばあさんには、

ホームレスの生きる術を教えてもらった。


教えてもらいながらも、

このままずっとこうして生きていくのかと思うと、

それではいけないとも思っていた。

面倒見てもらってるくせに、

人の生き方を疑問に思うなんて、

私も、随分勝手だわ。





それは突然だった。




「やられたね。」


夕食を集めに出かけている間に

ダンボールハウスが一掃されていた。


「あの、どういう事なんですか?」


「わたしたちは不法占拠者だからね、

 市の政策で片付けられても文句は言えないのさ。」


「じゃあ、みんなはどこに?」


「これさ。」


ダンボールハウスのあった場所に

中にあった生活用品が箱にまとめられていて、

その上にチラシのようなものが置かれている。


「プレハブハウス?」

「市が無償で提供してくれるのさ。これから寒くなるからね。」

「よかったじゃないですか?」






< 46 / 141 >

この作品をシェア

pagetop