拾ってください!!《結婚しました!音々version》
「期限付きでね。
期限が終わったらそのプレハブも撤去されるのさ。
期限内で、身の振り方を考えろっていう
猶予をくれただけのことだよ。」
「それでも、住む場所があるんだから。」
「あんたは、行くといいよ音々。
あたしはゴメンだね、
管理されたくないからね。
でも、戻れる場所があるなら戻ったほうがいい、
若い子がいつまでもこんなことしちゃダメだよ。
まあ、あんたが一番わかってるんだろうけど。
さあて日が暮れる前にあたしは行くよ。
行くにしても行かないにしてもよく考えることだね。」
手に持っていた毛布を私の方にかけて、
「それ、やるよ。元気でね!」
そう言って荷物の入った箱を抱えて手を振っていってしまった。
姿が見えるまで見送りながら、
「おばあちゃん!いろいろありがとうございました!」
これ以上ない大きな声で叫んだ。
泣きたいけど泣かない。
私もしっかり自分の足で立たなくちゃ。