拾ってください!!《結婚しました!音々version》
「あの…」


「なんだね?」


「それは、今のことを忘れちゃうとか、

 どこかに行かなくちゃならないって

 言うのじゃないですよね。」


「うん。何も変わらないよ。


 少し忘れてることを思い出すってことだよ。


 もし、怖いなら、このままでもいいんだよ?」



「私、八起さんといたいんです。 


 なのに、私、優しくされると

 おかしくなったり、

 嬉しい気分で眠ると必ず、

 悪い夢見たり、迷惑かけてばっかり。


 そんな私嫌なんです。


 だから、

 変わりたいです。


 忘れてることがあるなら、

 思い出したいです。


 思い出して、そして、

 八起さんを大切にしてあげたいです。」



「ずっと一緒に決まってるだろ。」

そう言って八起さんは笑うと、私の肩をそっと撫ぜてくれる。


「はい。」


「分かりました。それではこちらに。」


由比先生は、優しい笑顔で、

隣の部屋へ案内してくれた。


私は大丈夫。

八起さんがそばにいてくれるなら何も怖くない。

心の中で何度も繰り返し唱えた。
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