今宵、桜と月の下で
もしも、今日の月でいいのなら――
「お花見とお月見、一緒にしません?」
「お邪魔で、ないのなら……」
君と一緒に、見ていたい。
そうして俺らは、空が秋桜色に染まり始めるまで、他愛ないことを話し合った。
散ってしまう花びらほど多くはない話題は、転回する月ほど、綺麗なものでもなかった。
だけど、楽しかった。
彼女が渡してくれた串団子を食べながら、なんとなく、だけど強く祈ってみた。
もしも明日の月も綺麗なら、彼女と一緒に見ていたい。
一億年前より、千年前より、百年前より、去年よりなにより、未来の月を見たいと思った。
できるなら、できるなら彼女と、一緒に。
「お花見とお月見、一緒にしません?」
「お邪魔で、ないのなら……」
君と一緒に、見ていたい。
そうして俺らは、空が秋桜色に染まり始めるまで、他愛ないことを話し合った。
散ってしまう花びらほど多くはない話題は、転回する月ほど、綺麗なものでもなかった。
だけど、楽しかった。
彼女が渡してくれた串団子を食べながら、なんとなく、だけど強く祈ってみた。
もしも明日の月も綺麗なら、彼女と一緒に見ていたい。
一億年前より、千年前より、百年前より、去年よりなにより、未来の月を見たいと思った。
できるなら、できるなら彼女と、一緒に。