恋獄 ~ 晩餐会 ~
月杜家の晩餐会
とある平日の夜。
会社から帰った花澄のもとに、一通の郵便が届いた。
速達で届いたそれは、薄黄色の上質な紙でできた封筒だった。
花澄は首を傾げながら封を開け、中に入っていたものを取り出した。
中から出てきたのは封筒と同じ色の招待状だった。
差出人は、『月杜小百合』。
「……?」
招待状には『晩餐会をやるからぜひ来てね』としか書いてない。
晩餐会の日時は書いてあるが、何の晩餐会かよくわからない。
けれどわざわざ誘っていただいたのだから、都合がつきそうなら参加しようか……。
花澄はカレンダーにチェックを入れ、招待状をカレンダーの脇のコルクボードにピンで留めた。