恋獄 ~ 晩餐会 ~
「ま、クローンが無理なら、花澄ちゃんに季節ごとに日本と香港を行き来してもらうのがいいかも?」
「そうねぇ~。夏は日本で雪也君と過ごして、冬は香港で環と過ごすってのがいいかもしれないわね?」
「でもそうすると、子供ができた場合どっちの子供かわからなくなるか?」
「顔を見ればだいたいはわかるわよ。でも子供が出来たらさすがに行き来するのは無理になるわね?」
「となると、最初に子供を作った方が勝ちということになるかな?」
なんだか空恐ろしい会話が卓の向かいで交わされている。
これは聞かない方がいい、と慌てて視線をそらした花澄だったが。
見ると。
環と雪也はじーっと二人の方を見つめている。
「……あの、環? 雪くん?」
と、恐る恐る二人の顔を見た花澄に。
二人はふむと頷き、言う。