恋獄 ~ 晩餐会 ~
「……なるほどな。それもありかもしれないな」
「しかしそうすると、花澄が最初にどちらを選ぶかが非常に重要になる」
「ここは公平を期すため、くじ引きにするべきだろうな」
「そうだな。後で禍根を残さないためにも」
くじ引きって……。
いや、くじ引きで選ぶ方がよほど禍根を残すと思いますが!?
と青ざめた花澄の向かいで、賢吾が何やらガサガサと懐を漁っている。
その異様に楽しげな表情。
頬を引き攣らせた花澄の前で、賢吾は懐からメモ帳とペンを取り出した。
……なぜそんなものを都合よく持ってるのか?
賢吾はフンフンと鼻歌を歌いながら何やら書きつけていく。
「……ハイ。僕特製のあみだくじ~」
まるでドラエもんが新しい道具でも出すかのように賢吾は言う。
……ていうか。
そのあみだくじ、婚姻届並みに、いやそれ以上に重いんですけど!!
と冷や汗を流す花澄の前に、賢吾は楽しげにあみだくじを置いた。
「さ、二人とも、印付けて?」