恋獄 ~ 晩餐会 ~
花澄の目の前でバカ息子談義が延々と繰り広げられる。
花澄は引き攣った笑いを浮かべながら二人の話を聞いていた。
母親にここまで扱き下ろされる息子達って一体……。
やがて二人の会話がひと段落したところで、ドアの向こうにいたメイドが声をかけてきた。
「……奥様。お客様がいらっしゃっております」
「あら……。では、ここにお通ししてくれる?」
「畏まりました」
メイドは一礼し応接室を辞した。
……そして、数分後。
現れた人の姿に、花澄は思わず息を飲んだ。
「春燕さん!? ……に、賢吾さん!?」
あまりに異質すぎる二人の取り合わせに、花澄は思わず仰け反った。
驚く花澄に、春燕はくすくす笑いながら言う。
「賢吾さんとは例の浄水プロジェクトでたまにメールする仲なのよ。といっても実際に会うのは今回が初めてだけれど」
「これからは環ともメールすることになるんだろうな~。全部中国語で来たりして。あはは」