野良猫の飼い馴らし方。

「相沢誠哉(アイザワセイヤ)。2年。」

「………初めまして」

あまりにもぶっきらぼう、かつ簡易的なそれに、終わったと気付くのが遅れた。

たかが自己紹介、されど自己紹介だ。

名前を言い学年を伝えるだけで終わるなんて、思ってもみなかった。

そして、彼の告げた学年。

2年…とはつまり、あたしよりも先輩ということで。

今更ながら、少し立場をわきまえる。

そして続いたそれのおかげで、あたしは不本意ながらも彼らのことを知ることになる。

長めの前髪を上げている、子犬みたいな人が春野明(ハルノアキラ)。

可愛い顔で、他より背が低い男の子が桐谷杏(キリタニアン)。

青いエクステが黒髪アシメとベストマッチな島田仁(シマダジン)。

赤髪でチャラそうに見える羽村遊里(ハムラユウリ)。

見るからに、仲良しの幼馴染み5人組っぽい。

< 29 / 59 >

この作品をシェア

pagetop