野良猫の飼い馴らし方。
軽く触れた腕にも身体を震わせ、小さく漏れるうめき声。
少しだけ埃っぽいベッドに寝かせれば、どこか安心したように顔を緩ませた。
「…なんなのぉ、この"野良猫"ちゃん~」
「普通じゃないのは確かだね。」
「やめとけ、2人とも。」
杏と明が口々に呟き、それを仁がとめる。
声こそ出さないものの、俺だって真剣に考えてる。
…ただ状況が状況なだけに、下手なことはできない。
「どーすんのさ、誠哉。」
遊里のなかなか聞けない真剣な声に、俺は何も言えなかった―…