野良猫の飼い馴らし方。
"君の情報がなさすぎて"
チラリとPC片手の島田先輩に目を向けながら、可愛らしい彼はあたしに近づいた。
…情報がない、か。
「…知りませんよ、そんなこと。」
ツンとした態度でそう答えれば、甘い香りを纏った羽村先輩がニヤリと口元を歪めた。
「面白いねー、君。」
一般的にみれば、極上の笑み。
だけどあたしにとっては、恐怖でしかない。
ただ、"近寄らないで"と返すだけ。
「つれないなー。野良猫って、誰にでも懐くんじゃないの?」
…いやいやいや。
あたし、なんだかんだ言っても人間ですから!