野良猫の飼い馴らし方。
もちろん、自分がそれに分類されていないなんて思ってもいないけど…。
そんなことを考えながら、黙々と登校準備を整えた。
「…完璧っ!」
自信作な自分のできばえに感動しながら、そのまま鞄を持って家をでる。
玄関でかけた赤紫縁の伊達眼鏡のおかけで広がる、いつもよりも狭い世界。
メイクポーチと染色スプレー、お財布と携帯しか入っていない軽い鞄を握り直してから、あたしは歩きだした。
・あたしが一人暮らしするアパートから学校までは、徒歩で15分くらい。
繁華街は、学校から30分弱。