野良猫の飼い馴らし方。
4.野良猫が飼われる
…"やっぱり、飼おうか"?
…え、あたし。
飼われることになったの?
人間の、しかも男の子に!?
「そーゆーことなら…ノラちゃんおいで。可愛がったげる♪」
手を広げて甘く微笑む羽村先輩に向かって、あたしは首を思いきり横に振った。
そのまま、できるだけ大きな声で…
「…っ!?」
―叫ぼうとしたのに、その声は喉の奥に沈んでいった。
なぜなら、突然相沢先輩に抱き上げられたから。
発狂しそうなこの状況。
涙目なあたしを見た彼は、"怖いか?"と聞いてきた。
正直言って、怖いに決まってる。
怖くないわけがない。
…でも。
そう告げたくたって、声が出ないのだからどうしようもない。