野良猫の飼い馴らし方。
―というか。
そろそろ誰か、あたしのこの反応に気付くことがあってもいいんじゃないだろうか。
あたし…泣いてるんですけど?
「君、もしかして…」
やっと何かしら伝わるものがあったのか、春野先輩が首を傾げながら口を開いた。
「―男性恐怖症なの?」
男性恐怖症…
半分は当たっているそれに、あたしは必死で頷く。
正しくいえば、人間不信の、とくに男性恐怖症。
知らない人が駄目なあたしが、突然抱き上げられるなんて…
そんなあたしを見ながら、春先輩は納得したように頷いた。
そしてそのまま、悪魔のような言葉を吐く。
"…じゃあ慣れちゃおう。"
…!?
多分、この人たちは絶対に頭悪いんだと、悟った瞬間だった。