野良猫の飼い馴らし方。
階段を降りていると、廊下は賑やかで活気に満ちていた。
いつの間にか、休憩時間になっていたらしい。
階段いっぱいに響く騒ぎ声に、意外にも反応を示したのは島田先輩。
「…うっさい。」
だいぶ低い声で、ポツリと呟かれた、それ。
さっきまでどこを見てるか分からなかった先輩の目は、今は生徒で賑わう廊下をしっかり睨み付けていた。
今にも殴りかかりにいきそうで、少し怖い。
…そんなあたしの気持ちが伝わったのか、突然島田先輩があたしに視線を合わせる。
「…そんな怖がらないでよ。」
小さく口角を上げ、何かを楽しむように言葉を続けた。
「君を殴るんじゃないんだし。」
「えっ…!?」