野良猫の飼い馴らし方。
お気楽な、のほほんとした台詞をポンと投げて場を和ます。
それが、俺。
「遊里、赤がいい赤。」
「僕も選びに行きたぁ~い!」
ふにゃふにゃしてるこいつらとは、違うんだ。
ヘラッと笑いながら1番に部屋を出てみれば、運良く(?)隣のマダムに遭遇。
相変わらずな格好だ。
「こんばんはー」
「…なんだか今日は賑やかね?」
「飼い猫が逃げちゃって。」
俺がそう言えば、何かを考えたあとで「2足歩行のそれなら…」と口元をゆるめた。
やっぱり。
こういうマダムは、たいてい無駄に情報を持ってる。
「ありがとうございます、ではおやすみなさいー」
ハラハラと手を振り別れを告げた。